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取るに足らない日々の出来事

モンゴル(2004)


2004年8月6日から11日、モンゴルへ旅をしてきた記録です。

***

8月6日、午後7時50分ソウル発の飛行機に乗り、モンゴルへ向かいました。


モンゴルは、ずっと行ってみたかった国です。
もとはといえば、10年ほど前、弟が高校生のとき、モンゴルの緑化計画ための訪問団に参加してモンゴルに行ってきたことが理由になっているのかもしれません。帰ってきた弟に話を聞き、写真をいろいろと見せてもらい、全くの異国の地、大自然という雰囲気に興味を持ちました。弟に先を越された悔しさもあったりして、これは絶対いつか行くぞと思っていました。


でも、行ってみたいなと思っていても、出発前にはモンゴルの基本的情報を全然知りませんでした。地元の本屋でモンゴルのガイドブックを探したのですが、何故か、その本屋さんにはモンゴル関係の本がなかったのでした。ネットで調べても、殆ど情報は載ってないのです。
行く前には、「トイレットペーパーはもって行ったほうがいい!」とか「野菜や果物はないらしいよ」、「食べるのは、乳製品と肉だけ!しかも、ヤギの乳だよ」などの怪情報が飛び交い、私がネットでモンゴルの気象情報を調べると「ウランバートル最高気温30度、最低気温0度」なんて書いてあったりして、「モンゴルでは何を着たらいいの!?」と大衝撃を受けたりしたものです。
結局、私はモンゴルと日本・韓国間に時差がないことさえ知らずに出発したのでした。モンゴルは、日本と同じ時間を使っているのです。あんなに西にあるのに。


さて、今回の旅は、モンゴルにいるモンゴル人の知り合いを頼って行くことにしていました。モンゴル人の彼女(Nちゃん)は、日本で3年間仕事をして、この7月末に帰国したばかりです。私は、仕事やプライベートで数回だけ会ったことがあるのですが、それでも快く迎えてくれました。
今回、モンゴルにお邪魔したメンバーは、私を含めて3人。一人は、韓国人の女の子Kさんで、私が数年前に初めて韓国語を教えてもらった人です。もうすぐアメリカの大学に留学に行くことが決定していました。もう一人は、NちゃんとKさんが日本にいたときに茶道を習っていたという先生。


空港に着いたら、もう真夜中でした。しかも、私一人だけだったし、モンゴル語も英語もできないし。不安でしたが、Nちゃんが彼氏を連れて、お父さんの車で迎えに来てくれていました。(ほかのメンバーは、それぞれ別便でモンゴルに向かっていたのです。)真夜中なのに、ありがたかったです。そして、思ったより寒くありません。聞くと、そのときの気温は15~6度とのこと。あの天気予報はいったいなんだったの???


宿泊先は、Nちゃんのお兄さんのアパートだと聞いていました。お兄さんはなんと今、韓国に出張中。よって、アパートが空いているのだと聞いていました。が、さらによく聞くと、奥さんと子供さんが家にいるとのこと。どうしよう!モンゴル語できないし。「どうやって意思疎通をとるの?」と、ここでも不安に。。。。
アパートに着くと、部屋は9階にあるのにエレベーターが止まっていました。これも衝撃的でした。歩いて上がらなければなりません。スーツケースはNちゃんの彼氏のZくんが運んでくれました。Zくんは、日本の大学に留学してるため、日本語がペラペラです。(このときは夏休み中でモンゴルに帰ってきていました。)アパートの部屋はとても綺麗で近代的でした。トイレやシャワーの心配も全然なし。ちょっと安心。この日は、夜中だったので、このまま眠ったのでした。


翌朝、Nちゃんが朝食を用意してくれました。あれ?トマトときゅうり!?
野菜がある。聞くと、中国やロシアからいろいろと輸入していてスーパーにはなんでも揃っているし、モンゴルで作っている野菜もあるそうです。これもまた、モンゴルに対する認識不足でした。


土曜日と日曜日には、お父さんが車でモンゴルを案内してくれました。来たときには真夜中だったので暗くてわかりませんでしたが、モンゴルの首都ウランバートルは、山の中にいきなり都市が持ってこられたような印象です。そして、背の高い建物がないため、ものすごく広々とした感じを受けます。ウランバートルの町並みは、建物などにロシアの影響を受けているそうで、
あまりアジアっぽいという感じはありません。


気候は、昼間は日差しが結構強く、肌は熱いです。ぜったいに日焼けしそうな感じです。でも、湿度がかなり低くて、熱くても汗が出ません。これまでいくつかの国に行ってみましたが、こういう体験は初めてなので、不思議でした。夜中には、温度が下がり、少し肌寒くなります。「最低気温0度」にはなりませんでしたが…。


モンゴルでは、ホントに「ゲル」に住んでる人が多いんですね。これも、びっくりしました。なんとなく、観光地とかに置いてあるものかと漠然と思っていました。でも、本当に生活のための家なんです。テレビや写真では見たことありましたが、実際に見るのは初めてでした。なんと、ウランバートルの街中にもたくさんありました。
滞在したアパートから撮った写真です。↓ゲルがたくさんあるのが見えるでしょうか??


午後22時の夕暮れ


これは、なんと、22時に撮影した写真です。夜なのに、夕暮れなのです。西の方にあるのに日本と時差がないので、こんな風景が見られるんですね。子供も宵っ張りで、夜中まで外で遊んでる声がよく聞こえました。


そして、とうとう念願の草原へ行きました。ウランバートルを車で離れると、すぐに草原が広がっています。Zくんが、「モンゴルでは、街と街の間に草原がある。けど、日本は街と街がつながってるね。街を出たら、すぐに隣の街に入るよね。」と言ってたのが印象的でした。


さて、モンゴルの草原を行くと、こんなもの↓をよく目にしました。


ラマ教


モンゴルでは、ラマ教の影響を強く受けており、これもラマ教のものだそうです。道行く人の道しるべがわりにもなり、そして旅人の安全を祈願して作られるものだそうです。普通、この周りをぐるぐると歩いて回りながら、祈願します。しかし、中には道を自動車で通り過ぎながら、クラクションをプップップ~と鳴らすだけの人も。はじめは、なんでクラクション鳴らしてるのかわかりませんでしたが、略式の祈願だと聞いて、思わず笑ってしまいました。


***


モンゴルの草原は、果てしなく続いているように感じました。山もありますが、気候の関係上、木が育ちにくいようで山というよりは丘という印象です。一面に野の花の咲いた草原もあったりして、これはとても綺麗でした。


草原には、ゲルがいくつも建っていました。そして、放牧された家畜たちや馬に乗る遊牧民。本当にもう、テレビや写真で見たことのある、モンゴルの風景そのままです。NちゃんとNちゃんのお父さんが、車でゲルに連れて行ってくれました。
↓これが、私の訪問したゲルです。


草原の中のゲル


ゲルの中にスッとNちゃんが入りました。私は入り口でちょっとためらいましたが、「入ってもいいよ」と言われたのですぐに後に続きました。モンゴルでは、こういう風に見知らぬ人がゲルを訪問することが、当たり前なんそうです。そして、ゲルでは、来訪者を暖かく迎えてくれます。ゲルに住む人にとっては、来訪者は情報収集のもとでもあるそうです。


ゲルに入るのは当然ながら生まれて初めてでした。思ったよりも中が明るいのにはびっくりしました。ゲルの天井のてっぺんには、明り取りの天窓がついていて、ここから差し込む太陽の光がゲルの中を明るくしています。真ん中にはかまどとテーブルがあり、隅にはベッドや調理台や馬乳酒を造るための壷などが置かれていました。私たちが中に入るとすぐに、そのゲルの住民が「馬乳酒」をふるまってくれました。


ゲルでのおもてなし


私はてっきり、「馬乳酒」ってすっごく度数の強いお酒だと思っていましたが、実は、ほとんどアルコール度数のない飲み物なんですね。そして、なんともいえない味。。。。これまでに経験したことのない味でした。乳酸菌がとてもとてもとても活発に活動してそうな味です。かなり酸っぱくて不思議な匂い(動物の匂い!?)がします。はじめに口に入れたときは「うぇっ・・吐きそうかも。」と思いましたが、何度か飲んでいるうちに、段々くせになってしまいそうな不思議な飲み物です。後日、スーパーで売ってたアイスを食べたときも、この馬乳酒風味のものがありました。アイスになっても、やっぱりなんともいえない味。でも、なぜか美味しい。うまく形容しがたいんですが。モンゴルではものすごく愛されてる味なんだなぁと感じました。


さて、モンゴルでは、馬に乗ってる人をよく見かけます。車の走る車道を馬に乗って行く人たち。。。馬に乗ってるのがおばあちゃんだったりすると、なんだかもう圧巻です。Zくんに聞いたところ、「モンゴル人は、誰でも馬に乗れる。乗れない人はいない」そうです。私たちが自転車に乗るのと同じ感覚なんでしょうね。実際、このとき訪問したゲルでも、小さな女の子が馬に乗っていました。


馬に乗る少女


あっという間に遠くへ馬を走らせ、遊牧してある家畜を追い立てて誘導する姿はほんとうに見事でした。かっこよすぎる。(ちなみに、モンゴルで主に遊牧されている家畜は、馬、羊、らくだ、ヤギ、牛だそうです。)


実はこの後、私も馬に乗せてもらいました。でも、一人じゃ乗れません。Nちゃんが横で馬を誘導してくれました。


馬に乗る


***


モンゴルの草原の中の車道を自動車に乗って走っていると、馬に乗って車道を走っている人を何度も見ました。本当に馬が生活の一部になっているのを感じました。それから、何頭もの牛が車道に出てきて道をふさいでいることも。そんなときでも、Nちゃんのお父さんは「私は丑年生まれで牛と友達だから、大丈夫!」(ちょっと意味不明。^^;;)と、当たり前のように自動車を走らせるのでした。


でもまぁ、道路に牛がうろうろしてるとか、そういうのなら私も全く平気なのですが、短い滞在期間では、どうにも慣れることのできなかったのが「草原中にごろごろと転がっている色々な家畜のフン」です。新しいものから干からびてカラカラになったものまであらゆるところにゴロゴロと転がっていて、ちょっとでもよそ見して歩いたら確実に踏みます。・・・ということで、私は結構足元に気をつけながら歩いていたのですが、モンゴル人のNちゃんは踏んでも全然平気なんです。土と同じ感覚。モンゴルの草原では乾燥した家畜のフンを拾って燃料代わりに再利用したりしますし、ただの汚物ではなく、生活必需品にもなってるので。「フン=汚い」と決め付けてしまっている私との気持ちの持ち方の違いだと思います。でも、Nちゃんが「羊のフン(乾いたもの)」を指でつまんで、鼻と上唇の間に挟んで私たちに見せたのは、驚きました。ちなみに、羊のフンは、ウサギのフンのように小さくてころころしてました。Nちゃん曰く、「ぜんっぜん汚くないよ。何のにおいもしないし。可愛い~。」だそうですが。軽く冗談としてやってたみたいで。その心は分かりますが。


その後、私たちは草原の真ん中で野点(のだて)をしました。野点とは、抹茶を野外で立てて飲むことです。私たち一行のうち、NちゃんとKさんと茶道の先生は、何年も前から「モンゴルの草原の真ん中でお抹茶を立てて飲みたいね。」と話してたそうで、今回ついにその夢が実現したのです!で、今回の旅にも抹茶や茶道具や和菓子を日本から持ってきて。。。。情熱ってすごい。ものすごい壮大な計画。素晴らしい。もちろん、私もしっかり御相伴にあずかりました。大自然の真ん中で飲む抹茶はとてもとても美味しかったです。


こんな感じで私のモンゴル大草原体験は終わりました。ほんとはゲルにも泊まろうと予定してましたが、その日ちょうど天候が悪くなりあきらめました。次回、モンゴルに行く機会があれば、是非ゲルにも泊まってみたいです。


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さて、この後には、Nちゃんと彼氏のZくんと私の3人で深夜のモンゴルの「ディスコ」に行って踊ってみたりと、なかなか貴重な体験もしました。モンゴルのディスコは、韓国のそれとあんまり変わりません。真ん中にホールがあって踊れるようになっていて、周りにはテーブルがあってお酒を飲めます。ホールでは主に女の子が踊ってます。たまに、男の子も。そこにいた髪形がアフロの女の子2人組は、「この人たちは、かなりの常連ね」って感じでとてもとても踊りがうまかったです。(モンゴルでアフロは相当めずらしい!)あ、あと、韓国と違ったのは、ステージでは露出度の高いお姉さんたちがオリのようなもの(!?)に入って踊ってたことです。この人たちは、客ではなくて店のダンサーのようです。ちなみに日本ではそういうところに行ったことないので日本との比較はできません。


衝撃だったのは、ディスコのトイレ。女性トイレは洋式のスタイルなんですが。便座がない!トイレが20個くらい並んでるのに、どのトイレにも、見事に便座がない。「どうやるの?」って聞いたら「空気椅子の状態で」だそうです。Nちゃんが言うには、「もともと便座はあったけど、盗まれたんだと思う」とのことでした。


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このほかにも、草原の中を流れる川のほとりでNちゃんのお父さんと並んで横になってたらついつい昼寝をしてしまって、起きたら真っ赤に日に焼けてたこととか、Nちゃんのお父さんのテキーラ晩酌のお供をしたとか、当初、言語の問題で不安になってたけど、ホームステイさせてもらった家のお姉さんとは私の片言単語の英語ででも、けっこう会話できたこととか、モンゴルの男の子は3歳または5歳になるまでは髪の毛を切らない(よって小さい男の子は髪が長い)こととか、いろんなところで、子供のおしりにある蒙古斑を見たこととか、色々とネタは尽きませんが、そろそろ締めくくろうと思います。


おばあちゃんと一緒 丘の上で。


川のほとりで Nちゃんのお父さん遠景。


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最終日、一人でソウルに帰ることにしていた私は、深夜の便だったにもかかわらず、Nちゃん、Zくん、お父さんの3人にウランバートル空港まで送ってもらいました。空港で見送ってもらい、皆と別れてチェックインをした後に、深夜1時20分発の予定だった飛行機が「少し遅れます」とのアナウンス。
最初は1時間くらいの遅れかな?と思ったのですが。待つことなんと7時間!後で「強風の影響だった」とわかったのです。そのときには全く説明なしの7時間!なんと、出発ロビーにある免税店が夜中に一度閉店したのに、待ってる間に朝になったので、また開店しちゃったのでした。今から思えば笑えますが、あの何にもないウランバートル空港で、お金も全部使い切ってしまって何も買えない状態だったし、ひとりで7時間も待つのは非常に辛かったです。


こんな感じで最後はちょっとトラブルがありましたが、ホントに楽しい旅が終わりました。


そうそう、最後に空港に送ってもらうとき、モンゴルに来てから一度も星を見てなかったのを思い出して、車から降りて星を見たのですが、ホントに一面の星、星、星!久しぶりにあんなにたくさんの星を見ました。そして、流れ星まで。モンゴル最高!


全行程を通じて何から何までお世話になってしまったモンゴルの皆に、心から感謝したいと思います。また行きます、ぜったい!


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後日談。
このとき案内してくれたNちゃんが2005年4月にお母さんになったそうです。
思えば、このとき既にお腹に赤ちゃんがいたんだなぁ、と感慨深い気持ちです。
おめでとうございます!






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